幸せになるために集中する
エンジニアのあなたが集中に興味を持ち、より集中できるようになりたいと考える理由はなんでしょうか?
「インプットの質を高めて、技術力を向上させたい」
「高い集中力で、より良いプログラムを書きたい」
「早く仕事を終わらせて、自由な時間を増やしたい」
など様々でしょう。
では、「幸せになるために集中したい」と言われるとどうでしょう?
怪しい宗教のようですよね笑
でも実は集中力を高めると幸せになれることは、科学的に証明されているんです。
心のさまよいと幸福度に関する研究
2010年にScienceに掲載されたキリングワーストギルバート氏の論文「A wandering mind is unhappy mind」において、心のさまよい(mind wandering)と幸福度の関係についての研究がなされています。
心のさまよいとは今自分がしている行動以外のことを考えていること、つまり集中できていない状態を指します。運動中や仕事の会議中などに、全く関係ないことを考えてしまうなんてことは誰にでも経験があるのではないでしょうか。
この研究では参加者に対してiPhoneで無作為に連絡を取り、以下の3つの質問をしました。
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【幸福についての質問】今、どのように感じていますか?
非常に悪い(0)〜非常に良い(100)から選んでください。 -
【行動についての質問】今、何をしていますか?
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【こころのさまよいについての質問】今していること以外のことを考えていますか。
以下の4つから選択してください。
・いいえ
・はい(楽しいこと/中立/嫌なこと)
これらの質問の回答を集計し、今に集中できていない心のさまよいが幸福度にどのように影響を与えるか調べました。83カ国、18歳から88歳まで、86の主要な職業を持つ約5000人の、25万近いサンプルが登録され、過去に類を見ない大規模な十件となりました。
心のさまよいは幸福感を下げる
結果を表したのが以下の表です。
少し分かりにくいのですが、
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横軸が幸福度(今どのように感じていますか?非常に悪い(0)〜非常に良い(100)の回答)
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円の大きさが、心のさまよいが起きた割合
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上側は行動による分類、何を考えているか(「今していること以外のことを考えていますか。」)の回答による分類
を表しています。
この結果から3つの事実が明らかになりました。
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心のさまよいは頻繁に起きるセックスを除いて、全ての活動で平均46.9%、少なくとも30%もの心の迷いが起きていたいました。
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心のさまよいが起きると幸福度は下がる心がさまよっているときは、そうでないときよりも幸福度が低くなりました。たとえ楽しいことを考えている時でも、目の前のことに集中する方が幸福度は高くなりました。
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何をしているかよりも何を考えているかが幸福度を左右する何をしているかよりも、目の前のことに集中しているかどうかが幸福度を左右することがわかりました。
つまり、何をしているかに関係なく、心がさまよってしまい、目の前のことに集中できていない状態は幸福度が下がるのです。
幸せになるために集中する
研究から心がさまよっている状態、集中できていない状態は幸福度が下がることがわかりました。逆に言うと目の前のことに集中できれば幸福度が上がる、つまり集中することで幸せになれるのです。
プログラムを書いていたら、ゾーン状態に入り気づいたら数時間が経っていたってことありますよね。その時の幸福感を思い出してもらえれば、「あーあれね」と納得できるのではないでしょうか。
ただ、目の前のことに常に集中し続けることはそう簡単ではありません。
このニュースレターでは、エンジニアである筆者がどうすればより集中できるかについて、様々な角度から研究、実験したことを配信していく予定です。
集中を極めて幸せなエンジニアになりたい方、ぜひニュースレターに登録してみてください。
(余談)
研究の解答集計のために用意されたWebアプリはherokuが使われてたみたいです。

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